言語を選択してください。

ビジネスを導入したい国・地域を選んでください。

お問い合わせ
お問い合わせ

言語を選択してください。

ビジネスを導入したい国・地域を選んでください。

コラム カーボンニュートラルにおけるグローバル展開の実践的アプローチを解説 (1/3)~海外拠点の担当者が実施すべき取り組み ~


img

グローバル企業がカーボンニュートラルを推進する際、各地域の排出係数や算定基準などの規制に合わせて異なる対応を取る必要があります。しかし、各拠点が個別の対応を取ることで、ITの利活用や運用フローの統制、一貫性を確保が難しくなり、本社である日本側で各拠点の規制を十分に把握しきれないケースがよく見られます。

本記事ではカーボンニュートラルにおけるグローバル展開の実践的なアプローチと、成功させるポイントを3回に分けて解説します。

1. 海外拠点の担当者が実施すべき取り組み 

カーボンニュートラルにおけるグローバル展開を進める際は、具体的に何から始めればよいのでしょうか。ここでは、担当者が実施すべき取り組みを3つ紹介します。

段階的な導入計画の立案(短期・中期・長期の目標設定) 

短期・中期・長期の目標設定

カーボンニュートラルを実現するためには、まず短期(1-2年)・中期(2-5年)・長期(5〜10年)の3段階で計画を立案する必要があります。

短期計画(1-2年)は、カーボンニュートラルを推進する基礎固めの期間です。この段階では、まず現地の環境規制や基準を調査し、本社方針と照らし合わせて遵守すべき要件をリスト化します。現状認識として、各拠点が使用しているエネルギー源や、原材料・製造・物流における排出量をデータとして収集し、各拠点でのCO2排出量の測定体制を構築します。

ここでのポイントはScope1(直接排出)とScope2(間接排出)を中心とした、排出量の把握や可視化です。どのプロセスからCO2が多く排出されているのかを明確にし、優先順位をつけて削減策を講じます。

中期計画(2-5年)は、CO2排出量削減の本格的な取り組みを展開する期間です。資源計画を立て、現地条件に適した太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの導入を進めていきます。ポイントはCO2排出量25%削減を目標とするなど、具体的な数値目標の設定です。サプライヤー選定や物流プロセスを見直し、環境負荷の少ない選択肢を採用しましょう。

長期計画(5〜10年)では、全社的な構造の改革を進める期間です。たとえば、下記のような取り組みが挙げられます。

  • 環境に優しい材料や製造プロセスを採用し、環境配慮型の新製品開発に取り組む

  • 取引先やパートナーとも協力し、サプライチェーン全体での取り組みを推進する

  • 再生可能エネルギーの利用を最大化し、足りない部分はカーボンオフセットを組み合わせ、カーボンニュートラル(ネットゼロ)をめざす

グローバルでのデータ統合 

各拠点のCO2排出量の正確な把握には、拠点ごとにバラバラに管理されているデータをクラウド上に集約して、本社側で一元管理を行います。海外拠点では、データ収集プロセスを整備し、標準化されたテンプレートやクラウドベースのITツールを活用することが重要です。 

これにより、本社側で異なる単位や形式のデータを統一し、各拠点のデータをダッシュボードで視覚化することで、全体の進捗状況を把握しやすくなります。

グローバルでのデータ統合

現地スタッフの教育 

海外拠点の担当者は、現地スタッフに対し、温暖地球化の仕組みやカーボンニュートラルの意義、自社が果たすべき役割などの研修を実施します。特に、CO2排出量の測定方法やデータ入力、報告手順など、実務に直結する技術的な教育を行い、運用の精度向上を図ることが大切です。 

また、本社の基準と各国の環境規制や支援制度に関する知識を提供し、拠点間のギャップを解消します。現地スタッフが自信を持って業務を遂行できる環境を整えて、拠点全体での意識と行動の統一を図りましょう。 

現地スタッフ教育例
  • カーボンニュートラルを実現したい

CO2排出量の可視化、分析、CO2削減のための打ち手の検討、削減施策の実施まで、お客さまビジネスにおけるカーボンニュートラルの実現をご支援いたします。

カーボンニュートラルを実現したい